ドラマ・銭ゲバについて その2ズラ!
見事な伏線の生かし方でした
幸せ妄想のシンボルとしての、風太郎少年の『幸せ』の文字の彫り込みを、幸せ妄想の合間に苦しげな表情と共に挟み込んだこと。
とても含みのある『わかったよ』というセリフを、第八回の最後と最終回初めに置いておいて奇妙な余韻を残しておき...
それに続く独白を、"倒置法"のようにラストに、プレイバックで差し込んだこと。
また、過剰なまでの幸せ演出と起こった非日常的現実のオーバーラップによる、不幸の際立たせ方もお見事。
なるほど、トリガーを引く瞬間まで最後の決意を引っ張れる銃自殺では、このような緊迫感は出ないわけだ。
ダイナマイトを死刑執行人として用意した訳が、実に腑に落ちました。
そして、ダイナマイトの衝撃と、恐怖心から来る強烈なあがきがあったので、最後に持って来た静かな独白が一層生きる...。
純粋であるがゆえに世を去ろうとした男の真のメッセージは、確実に哲学的命題として、視聴者の胸に刻み込まれました...。
突き詰めていけば、我々は風太郎のように自決すべき存在です。
その心の葛藤を、類稀なる醜悪な容姿の風太郎が、代理体験してくれている作品だと思います。
だから、このラストはむしろ爽やかだと、私は感じました。
悪を為す心の葛藤の起源も、たびたび描写されているので風太郎に共感できながら、その並外れた悲惨な境遇ゆえに、自分はまだまだ恵まれているのだなと相対的に救われるのです。
稀有な秀作、ジョージ秋山は天才です。
「いきなり最終回」でラストだけを見てから、ずっと読みたかった作品でしたが、ようやく念願が叶いました。
(^.^)b
~~~続く~~~
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